ANA(全日本空輸)グループの航空会社である「AirJapan」が、2026年3月末をもって運航を休止します。ANAホールディングスが、2025年10月30日の決算会見で発表しました。いったい、どのような理由によるものなのでしょうか。

AirJapanは2024年2月に運航を開始。これまでANAブランドの短・中距離国際線を担ってきた傘下の航空会社「エアージャパン」を母体に設立され、成田~ソウル、バンコク、シンガポール線を運航してきました。使用機材はANAで運用されていたボーイング787を改修したもので、LCC水準の手頃な運賃をベースに、サービス内容に応じて追加料金を設定する仕組みを採用しています。
ANAホールディングスによると、AirJapanの運航休止は「マルチブランド戦略の見直し」に伴うものであるといいます。
見直しの背景には、ロシア上空通過回避の長期化により、機材や乗員・客室乗務員の必要数が高止まりしていること、機材の受領遅れやエンジン部品の供給不足によって稼働機数に制約が生じていること、さらに長距離国際線の高収益傾向が今後も続く見通しであることが挙げられます。
なお、AirJapanブランドの運航休止にともない、機材や人材などのリソースはANAブランドへ集約される予定です。これまでANAブランドとAirJapanブランド双方の運航を担ってきた運航会社「エアージャパン」は、今後ANAブランドの国際線運航を担当する方針です。