楽天「タイムリー欠乏症」打開できるか 貯金18→10に減少、西川遥輝&浅村栄斗が5月失速

楽天「タイムリー欠乏症」打開できるか 貯金18→10に減少、西川遥輝&浅村栄斗が5月失速

  • 東京五輪に出場した浅村栄斗(写真:AP/アフロ)

「援護の少ない投手陣が苦しくなる」

9年ぶりのリーグ優勝に向け、春先は絶好調だった。開幕10試合で8勝2敗と好スタートを切ると、4月26日のロッテ戦(ZOZOマリン)から1つの引き分けを挟んで球団記録の11連勝をマーク。24勝6敗1分で勝率は8割に。大きなプラスアルファになったのが日本ハムから加入した西川遥輝だった。1番打者を固定できないのが大きな懸案事項だったが、西川は欠けていたピースにピタリとはまった。広角に安打を放つだけでなく、選球眼が良く四球を選べるので出塁率も高い。甘く入ったら長打も打てるので理想のリードオフマンだった。

西川は3、4月で打率.333、5本塁打、21打点、7盗塁をマークして月間MVPを獲得。だが、好調な時期がいつまでも続くわけではない。5月は月間打率.179、1本塁打、4打点、3盗塁。その時に主軸の選手がカバーしたいところだが、ポイントゲッターの浅村も波に乗り切れない。3、4月は打率.310、2本塁打、6打点と西川同様に好調な滑り出しだったが、5月は打率.182、2本塁打、6打点とチャンスでブレーキになる場面が目立つ。4番の島内宏明が5月は打率.352、2本塁打、10打点と好調だが、その前の浅村で打線が切れてしまつている。

「好調の時はバント、スクイズなどベンチワークも冴えわたっていたが、得点を取るのが元々うまいチームではない。点を取るために浅村を3番から下位に打順を変えて犠打や進塁打をさせるなど主力選手の意識を変えていかないと、援護の少ない投手陣が苦しくなる」(スポーツ紙デスク)

11連勝の後は2度の4連敗を含む2勝10敗と好不調の波が激しく、貯金は最大18から10まで減った。優勝するチームは大型連敗が少ない。楽天はこのまま失速してしまうのか。交流戦での戦いぶりが大きなカギを握りそうだ。

(中町顕吾)