山東省梁山:文化書院が描く、農村振興の文化的ビジョン

「この本に書いてある果樹の剪定(せんてい)技術は本当にタイムリーだよ。自分で手探りするより百倍もいい!」。韓垓鎮(かんがいちん)紅心村の住民・王さんは『果樹の多収栽培技術』を手に、満面の笑みを浮かべた。先ごろ、梁山県の「移動図書館」が再び出発し、厳選した1000冊余りの図書と特色ある文化講座を載せて文化書院へ、さらには田畑の現場へと足を運び、知の“ごちそう”を住民の身近な場所へ届けた。

午前9時、「移動図書館」が村の新時代文明実践ステーションに到着して停車するやいなや、知らせを聞きつけた村民が車の周りを取り囲んだ。車内には書棚が整然と並び、農業技術、健康啓発、特殊詐欺防止などの実用書がずらりと揃う。児童向け絵本や国学の古典コーナーは、特に多くの子どもたちを引き付けた。文化書院のボランティアは貸出案内や登録手続きに追われる一方、その場で電子書籍の貸出手順を実演し、高齢者にスマート読書機器の使い方を手取り足取り教えた。

「みなさん、『ウサギとカメ』のウサギは、なぜカメに負けたのでしょう?」。臨時に設けられた「国学ミニ教室」では、文化書院の講師がPPTアニメーションを用い、成語(ことわざ)にまつわる物語を生き生きと語った。子どもたちは競って手を挙げ、場面を演じながら、幼い声で古典を言い直す。笑い声が広場いっぱいに広がった。別の場所では、無形文化遺産(非遺)の継承者がひょうたん彫刻の技を披露し、『水滸伝』の英雄像をひょうたんの上に鮮やかに刻み出した。読者は読書の合間に、地元文化の魅力も体感できた。

今回の取り組みは、梁山県文化書院が展開する移動型読書サービスの一端にすぎない。今年5月の開始以来、文化書院は図書館や労働者文化宮などの資源を統合し、「移動図書+特色教室」というモデルで、すでに12の郷鎮と20の学校を訪問。国学の入門、古典朗読など50回余りの活動を実施し、延べ8000人以上にサービスを提供してきた。多様なニーズに合わせて資源を的確に配分し、農村住民には“富を生む知恵”、青少年には“文化の食事”、高齢者には“心温まる贈り物”を届けている。

的確な供給こそが文化書院の要である。活動前には村の両委員会による聞き取りやオンラインアンケートなどで需要を収集し、図書と講座を「必要に応じて配送」することを徹底している。多方面の連携は運営の支えであり、鎮・街道の文化ステーションと協力してサービス拠点を整備し、教員や非遺継承者をボランティア隊として受け入れることで、「政府主導・社会参加」の好循環を形成した。さらに、場面(シーン)づくりの革新が鍵となる。読書を非遺展示や技能研修と組み合わせることで、読書を“静的”なものから“動的”な体験へと変えている。

次の段階として、梁山県文化書院は「カスタマイズ型」の読書サービスを打ち出し、伝統行事など特色ある節目に合わせたテーマ読書イベントを展開していく方針だ。移動する書の香りで、文化による民生支援の「ラストワンマイル」を真に貫通させ、文化の力で農村振興に持続的な活力を注ぎ込むとしている。(仇婷婷)