ダイハツが国内3工場の稼働停止、従業員「他の仕事探すことも考えないと」

ダイハツが国内3工場の稼働停止、従業員「他の仕事探すことも考えないと」

 ダイハツ工業は25日、自動車の認証試験を巡る不正を受け、自動車を生産する国内4工場のうち3工場の稼働を停止した。26日には残る1工場も休止し、日本の軽自動車市場で3割のシェア(占有率)を持つ同社の国内生産が完全にストップする。再開時期は未定だが、少なくとも来年1月いっぱいは生産を止める見通しだ。

【図表】一目でわかる…ダイハツの主な車種ごとの試験不正の内容

 ダイハツは20日、開発中や生産終了を含む64車種で計174件の不正が見つかったと発表し、生産を停止する方針を明らかにしていた。国内では4工場で27車種を生産しており、2022年度の生産台数は約93万台に上る。

 25日午前には、京都工場(京都府大山崎町)と滋賀工場(滋賀県竜王町)、大分工場(大分県中津市)の操業を取りやめた。本社工場(大阪府池田市)も26日から休止する。従業員は工場内の清掃などの業務を行うが、一部は休業させる。

 この日は休みになったという滋賀工場勤務の男性従業員は「いつになったら働けるのかわからず、生活が苦しくなる前に他の仕事を探すことも考えないといけない」と不安を口にした。ダイハツ労働組合(組合員約1万1000人)は生産停止中、給与の9割以上を補償するよう要求。会社側は25日中に回答する。