小さなひょうたんが大産業を動かす 村に特色ある振興の道が拓かれる

小さなひょうたんが大産業を動かす 村に特色ある振興の道が拓かれる

曲阜市・呉村鎮の竜尾荘村にある「ひょうたん区画」では、ごく普通のひょうたんのつるが、今、静かに注目すべき新たな“豊かさへの道”を編み出している。地元の村集体(村の共同組織)は、地の利を巧みに活かし、伝統的なひょうたん栽培を特色ある産業の原動力へと昇華させた。土地の賃貸を通じて集団経済の拡大を図ると同時に、村民の地元での雇用と収入増を促進し、「小さなひょうたんが大産業を動かす」新たな農村の風景が、今まさに広がり始めている。

現在、呉村鎮・竜尾荘村の「ひょうたん区画」では20種類以上のひょうたんが続々と収穫期を迎えている。この100ムー(約6.7ヘクタール)におよぶ栽培園は、今年初めに村の集団が業者を誘致して整備した産業モデル園であり、企業が資金・技術・管理を提供する形で、ひょうたん産業の大規模展開に向けた新たな道が開かれている。

「私たちは、特別仕様の高品質ひょうたんの栽培に取り組んでおり、約100ムーの畑から1ムーあたり5000〜1万個の収穫を見込んでいます」と、曲阜ひょうたん文創有限公司の李承達(り・しょうたつ)総経理は語る。

竜尾荘村は山間部に位置し、土地が分散しており、従来の穀物栽培では大きな収益を得にくい状況だった。そこで村は今年、「集中栽培+分散栽培」という新たなモデルを導入し、村内の零細な土地を約100ムー集約してモデル園を建設。さらに、村民に対して自宅周辺の空き地を活用してひょうたんを育てることを奨励し、村全体のひょうたん栽培面積は200ムーに達した。

竜尾荘村党支部の徐宏(じょ・こう)書記は次のように述べている。「ひょうたんを加工してアート作品にし、アート産業として展開しています。社会的な効果としては知名度向上と文化産業の創出につながり、集団としては文化産業パークの実体化によって村に分配金が入る見込みです」。

ひょうたん導入初年度にして、村の集団は土地使用料や分配金を通じてすでに約10万元の収入を得ており、集団利益の新たな突破口となっている。また、形や姿がユニークで質の良いひょうたんは、各地のバイヤーや業者の注目を集め、視察や買い付けに訪れる人が後を絶たない。

李承達氏は次のように語る。「一般的に文玩(文化雑貨)や工芸、彫刻、木工の材料として利用されるひょうたんを求めて、天津、北京、広州などから多くの方々が訪れています。現在、すでに40〜50万元分の注文が入っています」。

また、呉村鎮が持つ「中医学の町」としての中心的地位を活かし、竜尾荘村では「ひょうたん民俗村」建設も進めており、文化と観光の融合による新たなシーンづくりを目指している。ひょうたん栽培をベースに、食用ひょうたんを使った「ひょうたん宴」を企画し、ひょうたん入りの包子(中華まん)や餃子などの養生薬膳を開発。「見る・遊ぶ・食べる」という体験の連鎖を構築し、小さなひょうたんを農村振興の“富の宝”へと昇華させている。

通信員:苏执力