新潟県小千谷市に工場があるパワー半導体製造会社「JSファンダリ」(東京)が14日、東京地裁に破産を申請し、手続き開始決定を受けた。負債総額約161億円で、約530人の従業員を即時解雇。「地域経済に与える影響を最小限に抑えたい」と同市や県、商工会議所などが16日、緊急雇用対策本部を設置した。

破産申請した半導体製造会社(車のナンバーにモザイクをかけています)=新潟県小千谷市千谷(朝日新聞)
市などによると、同社は日本政策投資銀行系の投資ファンドなどが出資して2022年に発足。特定のメーカーに属さず、電力制御などに使われるパワー半導体を市内の工場で受託製造していた。工場の前身は大手家電メーカーの所有で、米半導体大手への売却などを経て同社が取得する際、県は約3億1千万円を支援している。 東京商工リサーチなどによると、23年12月期は約13億7200万円の最終赤字を計上。海外企業と資本提携交渉を進めたが破談となったという。 これを受け、固定資産税減免などで同社を支援してきた市や隣接する長岡市、県などの関係者が「小千谷・長岡地域緊急雇用対策本部」を設置。解雇された従業員の受け入れ先や、同社の事業を引き継いでくれる企業を探すため、情報交換などをしていく。 対策本部によると、従業員数は531人で、うち小千谷市が196人、長岡市が239人、近隣の魚沼市が20人、十日町市が18人など。小千谷商工会議所は解雇された従業員の受け入れを会員企業に呼びかけ、すでに134人の受け入れ希望が届いているという。 小千谷市の宮崎悦男市長は「従業員を突然解雇し発表することに大変憤りを感じている。市に対しても説明はなかった。会社には説明責任を果たして欲しい」と話した。(白石和之)