コオロギを媒介に、文化で友を結ぶ。
近日、曲阜市姚村鎮政府庁舎の東側にある文化広場が華やかな灯りに包まれ、第10回コオロギ文化祭が華麗な開幕式パフォーマンスとともに幕を開けた。
開幕式は「文化公演+無形文化遺産体験+産業マッチング」という革新的な形式で行われ、コオロギ文化と農村発展の深い融合を多角的に披露。全国から集まったコオロギ愛好家、商人、観光客ら5,000人以上を魅了し、「虫を通じて旅を促し、旅を通じて農を興す」ことで、農村観光消費の新たな原動力を生み出した。

姚村鎮のコオロギは、体格の大きさ、強靭な歯、激しい気性で知られ、歴代の全国コオロギ友好大会で数々の賞を受賞してきた。開幕式当日には、コオロギをテーマにした書画展や無形文化遺産技術展、文創(文化創意)製品市も同時開催。観光客は闘コオロギや古式投壺などの伝統技を体験できるほか、コオロギの選別育成、ヒョウタン彫刻、尼山印章などの文化を学ぶこともできた。コオロギの躍動感と匠の創意が響き合い、人気の「打卡(チェックイン)スポット」となった。
夜幕が降りると、姚村鎮政府前通りのコオロギ取引市場も大賑わい。村民千人以上と北京・上海・天津などから来た商人が集い、コオロギの鳴き声と値段交渉の声が入り混じった。統計によると、取引シーズン中に姚村鎮の農家は平均2万元以上の増収を実現し、最高級のコオロギは1匹で1万元を超える価格がつくこともある。姚村鎮の王福生鎮長は「『政府が舞台を整え、協会が先導し、農家が参加する』というモデルを通じて、コオロギ産業を文旅やECと深く融合させ、農村経済発展の新たな道を開いた」と語った。

文化祭の会場では、特色農産物販売コーナーも大盛況。廟東のレンコン、黄屯の山芋、畢家村のドラゴンフルーツなど、姚村の特産品が来場者に人気を博した。
姚村鎮を歩けば、ハス池畔のコオロギ文化回廊や、村史館に設置された虫の鳴き声サウンドインスタレーションなど、「文化+生態」の知恵を随所に感じられる。近年、姚村鎮はコオロギ文化を媒介に、河川整備や緑化推進などの事業を実施し、省級「美しい農村」7カ所を整備。都市部からの観光客数は年間40%増加している。
「私たちは『虫文化』によって郷愁を結びつけ、産業の支えだけでなく文化の温もりを持った農村振興を進めている」と、姚村鎮党委員会書記の李瑾氏は語る。今日、曲阜市姚村鎮のコオロギ文化祭は、地域に一定の影響力を持つ民俗ブランドへと成長している。
通信員:王晓丽 曹楠